メモリのEOLとは?

メモリ製品を販売する会社から「この製品はEOLの計画があります」と連絡を受ける場合があります。EOLとは何でしょうか? なぜ度々EOLが発生するのでしょうか?

EOLとは

EOLは “End of Life” の略です。”End of Life” と言っても製品の寿命が終わる訳ではありません。EOLは「メーカーからの供給を終える時期」という意味で使われています。従って、既にお客様がお持ちの製品はそのままお使い頂けますし、販売元に在庫があれば購入することもできます。また購入された製品の保証期間が変わることもありません。
各社のホームページでは、”EOL”、”生産終了”、”販売終了”といった表現でEOLを表示しています。

なぜ “End of Life” になるのか?

長い間、製品を供給してくれれば良いのに、なぜ “End of Life” になってしまうのでしょうか?
メモリモジュールに搭載されているDRAMや、SSDなどに搭載されているNAND Flashは、製造プロセスの微細化等により年々進化しています。そして進化するたびにチップ(die)はリニューアルされるので、現行チップを使用した製品は販売を終了し、次世代チップを使用した製品を主に販売することになります。それにより現行のチップ、そして現行のメモリ製品はEOLを迎えるのです。

なぜ、チップは進化するのか?

DRAMやFlashをはじめとする半導体のチップは、高集積化や高機能化のニーズに応えるため、チップサイズの増大を抑えながら進化していく必要があります。

微細化や回路設計の工夫などによってチップサイズの増大を抑えながら進化させることにより、チップの大きさが同じなら搭載するトランジスタ数が増え、高集積化できます。同じトランジスタ数なら、チップサイズを小さくでき、1枚のウェハから得られるチップ数が増えるのでコストダウンになります。また機器の小型化にも貢献します。

インテルの共同創業者であるゴードン・ムーア氏は1965年、「集積回路上のトランジスタ数は1.5年ごとに倍になる」という「ムーアの法則」を提唱しました。 これまでは「ムーアの法則」のペースで高集積化が進み、次世代のチップへ進化を続けてきました。

Wikipediaより抜粋

DRAMの進化

DRAMは3年で4倍のペースにて記憶容量が増加する進化を続けてきました。進化の度にチップが変わるため、各世代のチップはEOLを迎え、メインの製品は次の世代へ移行し続けています。

チップ面積の増大を抑えながら高集積化を進めるための技術としては、当初は主にプロセスの微細加工技術が担っていました。しかし現在の技術ノードは20nmを切っており、更なる微細化は厳しさを増しています。そこで近年はプロセスの微細化だけでなく、トランジスタの形状変更、レイアウト変更、およびキャパシタの材料変更などにより、高集積化の進化が進められています。

先端DRAMプロセスの推移


この様に半導体のチップはプロセスの微細化、回路や材料の変更などにより進化し続けているため、現行製品はEOLを迎え、新世代の製品へと移行するのです。

EOL情報

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