産業Linuxソフトウェア『Torizon』

組み込み機器の開発に最適なトラデックスの産業Linuxソフトウェアプラットフォーム

近年の多種多様な製品開発において、M2M(Machine to Machine)に代表される機器間の通信、IoTや5Gの進化により、製品の小型化と高性能化、電力効率化などの要求が高まっています。トラデックスでは、これらの要求に合わせて新たな技術を取り入れながら研究開発を重ねております。トラデックスは2003年に創業した、スイスのARM系CPUモジュールメーカーです。創業当初から産業機器(組み込み機器)向けに特化して製品を開発しており、車載、医療機器、制御装置、通信端末と幅広く利用されています。

トラデックスのCPUモジュールは、トラデックスが専用に開発したTorizonと呼ぶオープンソースのソフトウェアプラットフォームを活用することで、組み込み製品の開発がしやすくなります。

LinuxベースのソフトウェアプラットフォームTorizon

Torizonは「組み込みLinuxソフトウェアの開発」と「保守管理」を簡易化したものです。高い信頼性を必要とするデバイスでそのまま使用できる設計となっており、お客様のOS構築とメンテナンスの手間を軽減させ、アプリケーションの開発に集中できるようになります。Torizonでサポートしている製品は下図の通りです。

Torizonの特長:

  • すぐに使えるオープンソースLinuxディストリービューション
  • 大規模なソフトウエアコンテナのエコシステム
  • Microsoft Visual Studio 2019に対応(対応言語:C / C ++)
  • Microsoft Visual Studio Coreに対応(対応言語:Python, C#, Net Core)
  • 使いやすいセキュリティアップデート
  • 安全で信頼性の高い無線アップデート

Torizonの主要コンポーネントはTorizonCoreです。TorizonCoreは、最小限の組み込みLinuxイメージであり、重要なサービスの中でも、コンテナランタイム(Container Runtime)とセキュアリモート無線(OTA Services)更新用のコンポーネントを備えています。

TorizonCoreは、Toradex Embedded Linux BSPをベースとしてYocto Projectで構築されたオープンソースのため、さらなるカスタマイズも可能です。

CPUボードにTorizonCoreをインストール

トラデックスのCPUモジュールにTorizonCore(OS)をインストールするのは簡単です。CPUモジュールとインターフェースボード(I/Oボード)、ケーブル類(ネットワーク、液晶ディスプレイを含む)を接続してからインターフェースボードの電源ボタンを押すと、Toradex Easy Installerが起動します。

Toradex Easy InstallerにはGUIがあり、メニュー画面からTorizonCoreを選択してインストールします。その後、画面の指示に従って操作するだけでTorizonCoreのインストールが完了します。Toradex Easy Installerは、CPUモジュールのROMに内蔵されています。USBメモリやSDカードといったローカルストレージにもOSをインストールできます。

大規模なコンテナによるエコシステム

Torizonはコンテナ技術を利用するので、セキュアかつメンテナンスを実施しやすい形でシステムへの機能追加が可能です。Torizonは、コンテナおよびGUIにおけるハードウェアアクセラレーションをサポートします。Docker Hubには、コンテナ化により簡単に統合できるソフトウェアが豊富に揃っています。Torizon向けに特別に開発された数多くのDockerコンテナが利用できる状態になっています。これにはDebian、Crank Software、CODESYS、TotalCrossなどがあります。

トラデックスは、組み込み機器の開発と研究に最適な産業Linuxソフトウェアプラットフォームを提供していますので、お客様にはトラデックス製品を安心してお使いいただけます。

トラデックス製品は、特に産業機器(組み込み機器)を開発されるお客様に幅広くご好評をいただいております。具体的な製品のご紹介や製品選定のサポートは、下記よりお気軽にお問い合わせください。

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